ヒンバ族 5

【ナミビア】 ヒンバ族 5  =ヒンバの夜=

アフィースには彼女がいる。
アフィースとは2泊3日の砂漠に行ったこともあり、仲良くなっていた。
ヒンバ族の村までの道中は、彼女の質問をしまくっていた。

「彼女とはどれくらいの周期で会ってるの?」

「ん~ こないだ会ったのは3週間前かなー」

「3週間も彼女と会ってないの!? なんで!?」

「僕は仕事が入ると砂漠など遠方に行くから。
それに、彼女は今、ヒンバの村にいる」

「えっ!? なんでヒンバの村に!?」

「彼女のお父さんはヒンバ族なんだ。
今、お父さんとお父さんの田舎のヒンバ族の村里帰りしているんだ」

「じゃ、今日私たちが行くヒンバの村とは近くにいるの!?」

「ん~ 近くないなー」

「でも、ウィントフックよりは近いでしょ?
私たちは大丈夫だから、せっかくなんだし彼女と会ってきてもいいよ。」

「いいよ、いいよ~」


私たちは何度も「彼女と会っておいで」と勧め、アフィースも彼女に連絡をとり、
会えることになったようだ。

普段はクールなアフィースはとっても嬉しそう。

食事を終えると、アフィースは彼女を迎えに車で出かけた。

何もない荒野に、私とサトルだけが残った。



私は屋外のシャワーを浴びることにした。
シャワーは、ちょっとした囲いだけで、ドアはない。
電気などない。
屋根もない。
上を見ると、満点の星空。

ライトで照らしながら入ると、そのライトめがけて無数の虫が飛び込んでくる。
小さい虫ならまだいいが、カブトムシほどの巨大なカナブンのような虫まで、
私をかすめライトに体当たり。
いたる虫がシャワーに飛び込んでくる。

虫から逃れるため、急いでシャワーを終える。

私とサトルは、アフィースが作ってくれた焚き木で火に当たり
アフィースと彼女が帰ってくるのを、待つことにした。

しかし、なかなか戻ってこない。


もう23時近く。

私たちはあきらめて寝ることにした。

本当は、その日も私は屋外で寝ようとしたけど、
その日は、夜になると夜空に雲が広がり、星空が見えなかった。

寒いこともあり、私はサトルとテントで寝ることに。

私がテント内で荷物の整理でガサガサしていると、もうサトルは熟睡。

私も寝ようとした時、雄叫びが聞こえた。

握手を激しく鳴らし、奇声もあげている。

ひえーーー! いったい何事!?

それが徐々に激しくなってくる。

その雄叫びが、だんだん私たちのテントに近づいて来ているような感じがする。

怖い・・・・

「サトル、起きてる? なんか外が騒がしい。 様子がおかしくない?」

「うん。俺も雄叫びで目が覚めたよ。なんだろうね・・・」

「声がこっちに迫ってきてない?」

その時、テントが激しく音を立てた!

「わぁっーーーーー!!」

私はビビりまくってしまった。

「大丈夫、ただの風だよ」

テントの外がどのようになってるのか、知りたいけど、テントを開けるのが怖い。

サトルが、そーっとテントのファスナーを開ける。

顔を出し、外の様子を見る。

「周辺には誰もいないみたい」

その時、雄叫びや手拍子は消えていた。

どういうこと!?
私たちは、狐につままれたよう。

「テントの中の方が怖いわー
音があった方に行ってみいひん?」

「いいよ。僕も興味があるから行ってみよっか。
たぶん、ここにはヒンバ族しか住んでいないから、
夜の儀式かなにかしてるんじゃーないかなー?」

その時、また雄叫びが聞こえた!

真っ暗の中、薄暗いライトだけを頼りに足だけを照らし、
雄叫びが聞こえた方に行ってみる。

夕方にテント周辺を散策したが、真っ暗闇の中で歩くと、
方向感覚が無くなり、めっちゃ不気味。

ブッシュをかき分け歩き続けると、ヒンバ族の村の入り口へとたどり着いた。
柵を開けて入ることはできるが、
アフィースに「今日は村には行ってはいけない」と言われていたことを思い出し、私たちはそれ以上踏み込むのはあきらめた。

ブッシュの間から、奥にあろうヒンバ族の住む住居(村)で何が行われているのか必死に覗き込む。

暑い雲に夜空は覆われ、星も月も出ていないから、真っ暗闇で何も見えない。

しかし、中では、何か儀式が行われているようだった。


私たちは、夜空に響く不気味な雄叫びを聞いていると、なんだか怖くなってきた。

もしかしすると見てはいけないことなのか!?

なんだか怖くなりテントに戻った。



あの雄叫びはいったい何だったんだろう・・・?









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プロフィール

かおり

Author:かおり
旅が大好きで、気がつけば50数カ国旅をしています。2006年念願だった旅行記を出版。
多くの人に旅の魅力やイスラムの国々の良さを知ってもらおうと、書著「やっぱり旅はやめられない イスラム編」を書きました。
2008年に第2弾となる「中国編」を出版。

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プロフィール写真は、私本人ですが実物はまるで違います…あしからず。

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  • ヒンバ族 5
  • 2010年08月16日 (月)
  • 16時38分10秒
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