舌うち言語

舌うち言葉という言語を知っているだろうか?

南部アフリカ、カラハリ砂漠の過酷な地にコイサン族(コイ族・サン族)という民族が狩猟生活をしながら暮らしている。
(ほんとうは南部アフリカ一帯に暮らしていたが、白人に虐殺されたりして過酷な砂漠に追いやられた)
そのコイサン族が話す言葉。

私はちょうど1年前、南部アフリカ(南ア、スワジランド、レソト、ナミビア)約1カ月かけて旅した。
旅の目的は、以前から興味があったレソトと、ナミブ砂漠とヒンバ族に会いに行くことだった。

あまり口外してなかったが、時間があれば、カラハリ砂漠に住むと聞いていたコイサン族にも会いに行って、
彼らが話す舌うち言語とやらを聞いてみたいと思っていた。
しかし、コイサン族が住むエリアは個人では行けず、車をチャーターし5日間ほどかかると教えられ断念した。

レソトに行った時、英語を話す女性が「T」だか「C」の発音の時、聞きなれない発音が気になった。
もしかして、これが噂の舌うち言語か!?
でも私が想像していた舌うちとはちょっと違う・・・
レソトでよく耳にしたのは、奥歯から「チェ」と言うような発音。
だから、”舌うち”ではない。
それから私は現地の人たちが話す言葉が気になった。

次にナミビアに移動した時、砂漠に行くツアーガイド(アフィース)が携帯電話で話してるとき、ときどき舌うちが混ざっていた!
これが舌うち言語なのか!?
レソトとはまた別の種類だ。(ど素人の私が断言するのはなんですが…)

コイサン族もナミビアに分布してるし、やっぱナミビアの人たちは舌うちをつかうかも!?
私はアフィースにすごく細かく、舌うち言語について質問した。
もしかして彼のルーツはコイサン族か!?と思ったがそうではなかった。


私が南部アフリカを旅して感じたことは、
レソト人は英語を話している時にも舌うち言語が出てきて
舌うち言語が染みついているように思った。
でも、それはたまたま私がそのような人たちと会っただけかもしれません。

アフリカ帰国後、舌うち言語に興味を持ち、
いろいろ調べたが、調べが甘かったのか、私の疑問を解き明かすことができず、
民博に問い合わてみた。
しかし、民博の広報からの返事は、

「舌うち言語を研究している先生はいません。」

言語を研究してる先生に私の質問を伝えてくれ返事をもらったが、
私が求めていた答えではなく、大雑把で私でもわかっているようなことばかりだった。

なので、民博には舌うち言語について教えてくれる先生はいないのだとあきらめた。

この舌うち言語だけは、本が出ていたとしても、理解できるものではない。
聞いても違いがすぐには分からない。
舌うちの発音は、聞くだけではまねできない。
口の中を見せてもらって、舌をどのように動かしてるのか見せてもらわないとできない。
なので、もう一度南部アフリカに行って、舌うち言語をもっと調べるしかないのか…と諦めていた。

あきらめかけていた時、みんぱくのある教授の秘書をしている友人からメールがあった。
「かおりちゃんが調べている舌うち言語のセミナーがあるよ!」
この時、私は、一筋の光が差し込んだ気分だった。
私はすぐ応募した。

私は、基本、語学には全く興味が無い。
だから、ろくすっぽ英語も話せない。
英語、勉強しなな・・・と思うが、
英語の勉強より民族学的なことの方が興味がいっぱいで、
語学の勉強より自分が興味があることを調べてしまう。

ただ、舌うち言語だけは、今の世界全般で使われている「息をはきながら言葉を発する」のではなく、
ちょっと一瞬吸うようにして舌うちをするという世界で珍しい言語だし、
最初はコイサン族だけが話す言葉だと思っていたら、南部アフリカ全体の広範囲で使われていることに驚いた。


そして、1/30(日)はこの冬最大の寒波。
冷たい強風が吹く中、張り切って民族学博物館(みんぱく)での「ことばの世界へ」言語セミナーに行った。

10分前に部屋に入ると、もうけっこう席が埋まっていたが、
真正面の一席が空いていたから私はそこに座った。。

教授の第一声は
「こんなにいっぱいの人が来てくれるなんて・・・
みんな来てくれてありがとうございます」と感激していた。

サン語なんて、めっちゃマイナーな言語なだけに、
教授は人が全然集まらないんじゃーないかと心配してたらしいけど、
けっこう満席で、40名ほど入ってたんちゃうかなー?

教授のキャラがおもしろくて、セミナーは最初から最後まで笑いが絶えなかった。
教授は舌うち言語の専門家ではないらしいけど、舌うち言語の元祖コイサン族を研究してる。
だから、あの難しい舌うち言語を自由自在に使える!!
すごい!!!

1時間半のセミナー予定やったけど、質問が飛び交って(その中で私は3回質問)
30分以上もオーバーしたほどだった。

教授の楽しいお話に引き込まれ、あっという間に終わってしまったように感じるほど大満足の内容だった。
絶えない笑い声からして、参加者の多くが私と同じ感想だったと思う。

いろんな人からも「第二弾をしてほしい」という声が上がっていた。
もちろん私も同感。


セミナー終了後、教授はたくさんの参加者から個人的に質問を受けていた。
私もにいっぱい質問させてもらった。

私が、去年レソトとナミビアも行って、レソトにも舌うち言語があるっていうたら、
教授はめちゃくちゃびっくりして、

「きみ、すごいよ!!
今、世界ではレソトの舌うち言語が大注目されているんだよ!

どこの世界で注目されてるのかわからんけど、
教授の興奮状態からして、私がレソトでいろんな種類の舌うち言語があることに気がついたこともすごいらしいが、録画もしてきたことが貴重な資料になるらしい。

「世界では、舌うち言語を研究してるのはカナダの教授だけで、
レソトの舌うち言語を研究してる人は世界でもまだいないから君がするべきだよ!」

えぇっ~!?

「私、ど素人ですし、研究者でもないですし・・・」

「舌うち言語に注目し、それだけ知ってるならもう十分だよ!
僕の知ってる限り、日本では他にいないよ!」

私は舌うち言語のことを詳しく聞けただけでもめちゃくちゃうれしかったのに、
教授にそんなことを言われて、舞い上がってしまった。

その日は興奮して夜もなかなか寝付けないほどだった。


教授は名刺もくれた。

翌日、早々お礼と私がレソトとナミビアで調べてきた舌うち言語について細かく伝えた。

すると、すぐに返事があった!!
(私のようなど素人にすぐ返事をくださるなんて~ なんて丁寧な方や~)

教授からの返事に私は大興奮!

「全体として、舌うち音をここまで執着している(よい意味で)のは、
日本でおくださんぐらいかもしれません。
是非、その関心を深めていってほしいと思います。
研究者は音韻とかに専門化してしまい、
全体像の把握にかけることが多いので、
おくださんの視点は貴重です。

ひょえーーーー!!!
南部アフリカの専門家(教授)に、そんなことを言ってもらえるなんてーー!!

私は昔から「考え方や視点が変」と家族や周囲の人に言われ続けてきた。
それは、いい意味ではなく、悪い意味で言われ続けてきた。

教授のような方から、私の視点は貴重やって言われるなんてまるで夢のよう。

民博の南部アフリカの展示コーナーは、先生が監修しているという。
みんぱく ヒンバ


みんぱく ヘレロ 1

教授と、ヒンバ族やヘレロ族の民族衣装の話で盛り上がった。
普通なら、私がヒンバやヘレロの説明をしないといけないが、相手は私以上に知っていて、
めっちゃマニアックな話で盛り上がれる人はなかなかいない。

ヒンバやヘレロの民族衣装について盛り上がれるなんて夢のようや~
めっちゃ嬉しい~♪



今回、長い間先生に質問したり、一緒に質問していた人とお喋りしていて、
展示を見に行く時間がなかった。
また改めてアフリカのコーナーを見に行こうと思う。

「みんぱく」は、私の大好きな物、興味ある物が全てそろっている。
あんなに楽しい場所は他に無い!


みなさんも、ぜひ「みんぱく」に行って、アフリカのコーナーを見に行ってくださいね!!




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プロフィール

かおり

Author:かおり
旅が大好きで、気がつけば50数カ国旅をしています。2006年念願だった旅行記を出版。
多くの人に旅の魅力やイスラムの国々の良さを知ってもらおうと、書著「やっぱり旅はやめられない イスラム編」を書きました。
2008年に第2弾となる「中国編」を出版。

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プロフィール写真は、私本人ですが実物はまるで違います…あしからず。

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  • 2011年01月31日 (月)
  • 18時44分49秒
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by AlphaWolfy
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