皮膚ガン患者とちーちゃん

京都滞在最終日の夜、きこりちゃんと朝4時半まで話し込んでいた。

きこりちゃんの同級生が癌になり、2010年の終わりに亡くなった。
亡くなった同級生は、生前mixiに闘病日記を綴っていた。
両親は、彼女のmixiの闘病日記を1冊の本にした。

京都を出る時、きこりちゃんがその本を貸してくれた。




電車に乗るなり本を読ませてもらった。

同級生は、皮膚がんで亡くなった。

皮膚がん。
ちーちゃんも皮膚がん病棟だった。
普段、仕事から離れると、ちーちゃんは職場の話しはほとんどしない。
ただ、夜勤明けで来てくれると、「昨日患者さんを見送ったんですよね…」とか、
数時間前まで病棟で見ていた光景が頭から離れないのか、表情が硬い時もあった。

皮膚がんの知識を知らない私は「皮膚がんってどうなるの?」と聞いたことがあった。
「皮膚がんは酷いです… あんな痛々しい姿は見るに絶えられないですよ…」と言葉少なげだが話してくれたことがあった。

同級生の本を読んでいると、痒くて血が出るほどかきむしり、皮膚がボロボロになり、ベットには離れ落ちた皮膚だらけになる。
皮膚を清潔に保つため、シャワーを浴びないといけないが、皮膚が薄くなっている患者にとって一番の苦痛だと、生々しく書いてあった。

患者は、抗がん剤投与にはいると、激しい嘔吐に襲われ、
「夜中、患者さんが激しい嘔吐に苦しんでいて、ずっと背中をさすってあげていた。
あまりにも苦しそうで、私まで涙があふれてしまった」
とも話してくれたこともあった。

闘病日記の本にも、
「激しい嘔吐に襲われた時、看護師さんがずっと背中をさすってくれたことが嬉しかった」
と書かれていた。

ちーちゃんもこうしてたくさんの患者さんの痛みを和らげてあげていたんやろうな…と思うと涙が止まらない。

私は患者の立場ではなく、その本を通じちーちゃんが今までしてきたことを見ている気分になり、京都からずっと号泣していた。

青春18切符でのんびりと美しい田園風景を見ながら、鈍行の旅を楽しもうと思っていたが、闘病記にのめり込み、車窓を楽しむどころかちーちゃんと重ね合わせ、本に没頭してしまった。

名古屋でオスギ君と少し会い、別れてからも東海道線はひたすら本を読み続けていた。

私は終点まで乗るし、乗り越す心配はない。
だから、本から目線をはずすことなくずっと読み続けていた。

しかし、ある駅に停車した時、自分でもなぜかわからないが、なんとなく「今どの辺かな?」と停車駅をきょろきょろと探し見た。
すると、ちーちゃんの実家の駅だった。

それまで、停車駅を確認したこともなかったし、停車駅で止まっても、止まったことさえ気が付かなかったほど本に没頭していたのに、なんとなく今どこなのか気になって駅名をみたら、ちーちゃんの実家の最寄り駅だった。
ちーちゃんの実家の最寄り駅は、そんなに大きな駅でもなく、乗車客も少ない。
その日も、乗り降りした乗客はほとんどいなかった。
それなのに、何かしらないけど私は気になって駅名を見たことに自分でも驚いた。

ちーちゃんが「実家に来て」とでも伝えたかったのかな?

今週末の9/15、ちーちゃんの一周忌が行われる。
ちーちゃん、行くからね。


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プロフィール

かおり

Author:かおり
旅が大好きで、気がつけば50数カ国旅をしています。2006年念願だった旅行記を出版。
多くの人に旅の魅力やイスラムの国々の良さを知ってもらおうと、書著「やっぱり旅はやめられない イスラム編」を書きました。
2008年に第2弾となる「中国編」を出版。

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プロフィール写真は、私本人ですが実物はまるで違います…あしからず。

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  • 皮膚ガン患者とちーちゃん
  • 2012年09月10日 (月)
  • 12時03分59秒
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