仮面で顔を覆う街 イラン

久しぶりに旅先の話を。


イランの南部、ペルシャ湾に面する港町のバンダルアッバーという町の女性は、
仮面をかぶってるんですわ!

「仮面の女性たち」見てみたくないですか?
「仮面ってどんなんや??」って思いません?

バンダルアッバーはバンダリーという人々が住んでいて、女性は黒または赤の仮面をつけ、
肌の色も少し黒く顔立ちも他のイラン人と違うらしい。
それだけじゃなくこの町の女性は、他のイランの街の女性が着ている黒いマント(チャドル)やコートを
着ていないという。

そんな話を聞くと、絶対バンダルアッバーははずせない!!
なんとしてもバンダルアッバーに行って、仮面の女性を見てみたい!!

イランは国土が広く、見所がたくさんあってシーア派の聖地がある。
それだけじゃなく、拝火教のゾロアスター教徒の遺体を葬る鳥葬の場だった岩山の塔もある。
この2箇所はむっちゃ行きたくて、ずいぶん悩んだんだけど、
これといって何もないバンダルアッバーへ私は「仮面の女性を見てみたい」というだけの目的で行くとにした。

私がイランに行ったのは7月の真夏。
イランは毎日38度。
場所によっては軽く50度を超える町も・・・

バンダルアッバーへは、ケルマーンからバスで8時間。
8時間なら時間の節約のため、迷わず夜行バスで行くことにした。

バンダルアッバー行きの夜行バスは冷房付きがなかったのか、
それとも、お金の節約のためエアコンなしバスのチケットを買ったのか記憶にないですが、
夜になっても暑いケルマーンの町から窓全開で出発!
イランのバス
最初は涼しい風が入ってきてよかったけど、スピードが出ると車内に入ってくる風が強くなり、
皮膚の感覚がおかしくなってきた。
それに、風で前席のカーテンがバタバタと激しくなびき、私の顔面を何度も直撃し眠れない!
「カーテンをなんとかして」と前の人に訴えるけど、
「窓を閉めれば暑いし、カーテンをしなければ風が直撃する」と言って無視された。
私の顔面までなびいてくるカーテンをくくり、なんとか眠っていると、窓も全開だというのに
車内が暑くてたまらない!

本当は、脱いではいけないコートを脱ぎ、イラン国内では絶対許されないTシャツ姿になった。
それだけではんく、人前では絶対はずしてはいけないスカーフもゆるく結ぶと、少し暑さがやわらいだ。

それにしても、まだ朝の5時前で真っ暗だというのに、息苦しいほどの暑さだ。
だんだん気分が悪くなってきた・・・。
周りの女性たちは、こんなに暑いのに黒いチャドルを着ている。
イラン人ってほんとうに我慢強い人たちだと関心する。

この暑さの意味がわからず、私はてっきり旅の疲れと風に何時間も直撃していて、
風邪をひいてしまって高熱が出たのかも?と思ていた。

すると、バスは周囲には何もないく、ただ一軒の小さなチャイ屋(カフェ)の前で止まった。
トイレ休憩かな?と思っていると、乗客全員が降りてゆく。
私が座席に座っていると、最後の客が「ここがバンダルアッバーだぞ」と教えてくれた。
コートを脱いだTシャツ姿に適当なスカーフのかぶり方をしていた私に、「服をちゃんと着てから降りろ」と注意され、私は渋々コートを着てスカーフをかぶった。

バスを降りた瞬間、信じられない湿気と暑さが襲ってきた。
私は急に気分が悪くなり、その場から慌てて離れ吐きつづけた。
苦しくて涙がボロボロあふれ出し、荷物のことなど考える余裕もなくい。

周囲の人がその状況を見かねて、チャイ屋の椅子に座らせてくれた。
「これを飲みなさい」と出してくれたのは、熱い熱いチャイ。
熱いチャイを飲むと、全身の毛穴という毛穴から一気に汗が噴出した。
よけい気分が悪くなり、また吐きつづけた。

暑いだけじゃなく湿気が高く、とにかく不快。
この暑さから逃れたくて、とにかく急いで宿を探し、クーラーがガンガンにかかった窓のない部屋のベットに倒れ込んだ。
バンダルアッバーの宿

バンダルアッバーでは仮面の女性を見るのが目的。
それに今晩の夜行バスで私は次の町に行かないと日程が厳しい。
クーラーのガンガンに効いた部屋で休んでいると、少し元気を取り戻し、朝の9時頃町に繰り出そうと部屋を出た。
すると、信じられない強烈な日差しと暑さに驚き、思わずドアをまた閉めてしまった。
「今の日差しと暑さは何なんだ・・・?」
サングラスをかけ気合を入れドアを開けると、サングラスをしていても日差しが強く目がしょぼしょぼする。
一瞬にして全身の毛穴から大量の汗が噴出した。
恐ろしいほどの暑さで、急いで近くのレストランに飛び込んだ。
あまりの暑さに絶えられずスカーフを取ったが、客は私だけだったので店員は見逃してくれた。

なんせ日差しが強くて40度以上の気温に、湿気がすごい。
最初、なんでこんなに湿気があるのか理解できなかったが、
バンダルアッバーはペルシャ湾のホルムズ海峡の港町で、海に面しているから
その湿気のせいでとにかく息苦しい。
「なんじゃこの暑さ!人間の住めたもんじゃーない!」
って怒りたくなるけど、冬はきっとすごしやすいんでしょうね。

バンダルアッバーの町から見たペルシャ湾のホルムズ海峡。
ホルムズ海峡

暑さのあまり町には誰一人歩いていない。
まるでゴーストタウンだ。
特に女性は誰一人いない・・・
仮面の女性を見るためにここまで来たのに・・・
暑さに絶えながら、日陰を求め歩いていると、遠くに仮面をかぶってカラフルな布を全身に巻きつけた女性たちを発見!!
写真を撮りたい!!
走って駆け寄ると、私に気づいた女性たちは慌てて車の荷台に飛び乗り、逃げるように急いで車を走らせてしまった。
顔にはほんとに仮面をつけ、頭部だけではく口も布で覆っていて顔は一切見れなかった。
見た目もその動きもまるでスパイダーマンだ。
仮面の女性は女スパイダーマン?!

それにしても、なんでそこまでして逃げるの・・・?
意味がわからない・・・

黒いマント(ヘジャブ)で覆っている女性の多くはカメラに映りたがらない。
顔を仮面で隠しているってことは、顔を見られたくないからってことか・・・
えー、それなら、こんなクソ暑い町まで来た意味ないやん~

写真に収められなくても、せめて仮面の女性を近くで見たい。
暑さに耐えながら、日陰にあるスーク(商店街のようなもの)を歩いていると、
おばあちゃんが仮面をはずして座り込んでいた。
「おばあちゃん、こんにちは。なんで仮面をはずしてるの?」
「暑くって・・・」
「仮面をかぶってるおばあちゃんの写真をとらせてもらっていい?
「それはダメだ」
「じゃ、その仮面をちょっと貸して」
仮面をしている女性を写真に収められないのなら、自分で仮面をつけて撮ることを思いついた。
その写真がこれ。
仮面姿
私は口を出してるけど、バンダルアッバーの女性は頭部を薄い布で巻きつけ仮面をしていました。

そして、この地域の女性は仮面だけではなく、素足に美しい刺繍をほどこしたズボンをはいている。
そのズボンがこれ。
ズボン
カラフルなマントの布の下から、よりカラフルなズボンが見えました。


日が沈みかけた頃、この町を後にし次の町に向かうため、バスターミナルへタクシーで行く途中、
昼間は閉まっていたお店が開きだして、まったく人がいなかったバンダルアッバーの町に、
男女ともにたくさん出てきて、仮面をつけた女性たちも買い物に出てきていた。
暑い日中は、みんな家で非難してるのか・・・
そらそうやわなぁ・・・

またイランに行くことがあれば、もう一度バンダルアッバーに行って、仮面の女性をじっくり見たい・・・


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★ Wakabunちゃん
バンダルアッバーの夏は、暑いだけじゃなく湿気があって外出するのに気合がいったよー
冬は過ごしやすいやろうね。

私はリヤドやマシュハドに行ってないから、もう一度イランを旅したいわー

夏の暑さは半端なさそうだ!冬でさえ常にスカーフをしているには疲れたのに、夏なんてさぞかし辛いだろうなあ。現地の人はさらに仮面なんて!

この町冬は過ごしやすいらしいので今回行こうかとちらっと考えたのだけど、時間がないのでやめました。イランも広いし場所によってかなり違うのねー。

★ トモヒコさん
ペルシャ湾沿いの地域の夏はどこも暑いし湿気がすごいし、不快指数120%ですよ!
だからドバイも夏は暑さだけじゃなくすごい湿気ですよ。
外に出たらメガネやカメラのレンズが一気に曇るんですよ~

仮面の下は?

今回も一気に読ませていただきました。
イランといえば乾燥地域、暑くても日陰にさえ入れば、と思っていたのに、こんなにムシ暑い所があるとは。大汗かきの私にはとても行けそうにない……。特にバスの中の状況がすごそうでコワイくらい。(ようがんばりはりましたね)
そんな所だからこそ、カラフルな女性の衣装も、そして派手な仮面も魅力的なんでしょうねー。
プロフィール

かおり

Author:かおり
旅が大好きで、気がつけば50数カ国旅をしています。2006年念願だった旅行記を出版。
多くの人に旅の魅力やイスラムの国々の良さを知ってもらおうと、書著「やっぱり旅はやめられない イスラム編」を書きました。
2008年に第2弾となる「中国編」を出版。

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プロフィール写真は、私本人ですが実物はまるで違います…あしからず。

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  • 仮面で顔を覆う街 イラン
  • 2008年09月12日 (金)
  • 19時35分39秒
by AlphaWolfy
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