黄金の墓の発見と発掘秘話

9月7日の朝日新聞に『ペルーの卑弥呼?人骨や南米最古級の金製品発掘』という見出しがあった。

それも写真つき!

読んでみると、発見したのは、な、な、なんと!!
私の大好きな『民族学博物館』の教授ではないか!!

みんぱくが遺跡発掘なんてしてることにもビックリ!!

だって、みんぱくって文化人類学なので、遺跡発掘をする考古学とはちと違うと思ってた。

みんぱくの調査グループがこのようにすごい遺跡を発見し、新聞に取り上げられたことに嬉しくてたまらない!

和太鼓で一緒に講座を受けていたたーちゃんが、みんぱくの教授秘書をしている。
新聞を見た次のレッスンのとき、興奮しながらたーちゃんに声をかけた。

「みんぱくの教授がペルーで大発見したやん!」

「そうやねん!発見した関教授は、人柄もすっごいステキやねんでー
それに、発見した日は関教授の誕生日やってんで!すごい強運の持ち主やで!」

「えーー!自分の誕生日にあんなすごい発見をしたん!?
墓の主に選ばれたんちゃうー」

裏話を聞けて私はさらに大興奮!

そのたーちゃんと太鼓の打上げを企画し、太鼓の先生や連絡先を知ってる人だけだけど、
先日5人で飲み会をした。

その時、「そういえば今、関教授が帰国してて、急遽あさっての10/11の朝11時から
みんはくのアメリカ展示場で、今回の発掘秘話のトーク会があるで」
と、教えてくれた。

これはなんとしてでも行きたい!!
私は11日早起きをし、朝から自転車を飛ばし民博に行って来た。

アメリカ展示場では、早いこともあって観客がまだ少ない。
私は一番前の席を確保。
関教授らしき人が、PCの動きを確認している。
黄金の墓
たーちゃんが言うように、若々しく見た目もなかなかかっこいい!
(ちょっと安住アナ似!?)

11時から教授の説明が始まった。
この墓を発見し、ペルーの現地では発表したけど、日本では今回が始めての発表だという。
きゃーーー♪ そんなすごい場にいれて嬉しい♪
がっ!!
私としたことが、書く物を持ってくるのを忘れてしまった・・・
あっちゃー なんてこった~
必死に聞き、記憶にとどめるが、次から次へと興味深い話をされ、全部覚えられない!!

ってなことで、『朝日新聞』と『読売新聞』に載った記事を読んでね。
(読売新聞の記事を探したけど見つからなかったので、資料としてもらったコピーを載せますね)
読売新聞記事
(画像をクリックすると記事が読めます)

このパコパンパ遺跡は昔から(50年前)この下には遺跡が埋まっているとわかっていて
今回、民族学博物館とペルー国立サンマルコス大学と合同で調査を進めた。
黄金の墓
ペルー国立サンマルコス大学の歴史は古く、南米最古の大学で創立470年だそうな。
関教授が遺跡発掘のリーダとなり、民博の学生やサンマルコス大学の学生と一緒に
発掘を進めていた。

今回高貴な女性の墓が見つかったパコパンパ遺跡はペルー北部に位置し、今から3500年前のもの。
遺跡は、標高は2500mの高地にあるが、地形的に雨がよく降るので周辺には緑が多い。

遺跡は、3段の階段状になった小高い丘にあり、全体を掘っていくと四角く囲まれた石が出てきた。
テラスには、いくつかの石で囲まれた広場があった。
入口が同じ方向になっていて、その入口を線で結ぶと一本線になり、そのはるか先には当時のスバルの星の位置になる。
ここでも古代エジプトのようにその中心軸に左右対称に建てられている。
ん~、なかなか興味深いっす!!

(ここでなぜ古代エジプトが出てきたのか意味がわからない人は私の著書
『やっぱり旅はやめられない イスラム編』のエジプトを読んでてね!
この謎解きの意味がわかるはず)

いくつかの広場の奥にある、部屋をさらに掘っていくと石の色が違っていて、作られた年代が違うらしい。
そんなことまでわかるんですねー
いくつか四角く囲まれた小部屋の奥の土の色が円形になって周囲の土とあきらかに違っている部分が出てきた。

このとき、先生はひょっとして墓かな?と思ったけど、まだまだ油断は禁物と慎重に
色が違う部分を堀り下げていったそうな。

このときの話は、私もその場で一緒に掘っている感覚になるほど先生の話はリアルでドキドキさせられた。

最初は大きな石がフタをするような形で出てきて、その石をどけるのに数ヶ月を要した。
それは、よける前に、映像や写真だけでなく細かくスケッチをしないといけないので、とても時間がかかる作業だという。

いくつもの大きな石をどけると、壺とお皿が出てきた。
お皿には火を使った形跡がある。
ってことは、儀式をしてすぐに埋葬されたということか!?
これはでかした!!

もうお墓が近いと思って掘り進めていたが、今度は水路の下に使う平らな石がいくつも出てきた。
わっちゃー お墓と思っていたけど、ただの水路を掘り当ててしまったか・・・
先生は期待はずれでガッカリしたそうな。

ここで発掘をやめずになぜ堀進めたのかというと、石周辺の砂と穴周辺の砂の色が違うから、
まだ穴は底に続いているはずと読み取るらしい。
遺跡発掘って土を見比べるながら掘るんですねー

遺跡発掘って地道な作業で、聞いていても喜んだり落胆したりでした。

平らな石をどけると、ただの砂・・・。
記録用のビデオでは「何もありません・・・」と先生はつぶやいていたそうな。
しかし、よーく見ると2つほど突起物がほんの少し出ていた。

後でわかったことは、その突起物とは黄金だった。
しかし、写真で見る限りでは突起物は他の砂と一緒で素人の私なんか全く気づかない。

やっと掘り当てたものの、焦りは禁物!
竹串で細かく掘っていくという。
竹串なら埋まっている物を傷めないので発掘には欠かせないものらしい。
もうこの頃になると関先生が1人で発掘をしていた。

なぜ1人!?
教授が1人で発掘するなんて!?って思ったが、それには理由があって、
発掘というのは、周りの土、徐々に出てきたモノを細かく記憶し、推測し考えながら掘っていかないといけないらしい。
だから、途中で別の人に変わって交替で掘ると、何がなんだかわからなくなるので、最終的には1人で掘っていくものらしい。

発掘作業は、細い筒状の竪穴なので、1人しか入れないし、足の置き場も2箇所しかなく、
全く身動きができず、たったまま頭を下に下げ体を腰から半分折りたたむ姿で竹串で掘っていっていたらしい。
そのときの映像を見せてもらったけど、こんな姿でまる3日間休むことなく作業していたなんて、人間業ではない!
遺跡発掘にかける熱い気持ちがないとできないことだと思った。

すると人骨が出てきた!!
骨は関先生の研究外なので、人骨研究者の世界でも1、2といわれているすごい先生にすぐに来てもらい、鑑定をしてもらった。
人骨の第一人者といわれている先生は、「ん~ これは頭蓋骨ですねー これは肋骨」と、
骨を触っただけでわかった。
さすが!!
「そうすると足はあっち方向だから・・・」と、まだ見えぬ足を捜すため、今まで掘っていなかった部分を掘り下げた。

が!掘っても掘ってもどうも違うような気がして途中で掘るのを中止した。
人骨の第一人者が頭蓋骨と言った骨は骨盤であることがわかった。

そんな裏話もユーモアたっぷりに話してくれ、関教授の話は人をひきつけるものがあり、
私は身を乗り出して聞いていた。
たーちゃんが、「ステキな教授やねんでー」って言うてた意味がよーくわかる。

関教授は、遺跡発掘に関する裏話など、もっともっと話をしてくれたけど、ここでは書ききれないっす。

さて、今回の遺跡の発見がどのようにすごいのかというと、南米最古級の遺跡でもありながら、黄金の耳飾が発見され、
耳飾

さらにネックレスも出土した。
ネックレスの貝だけではなく、繋いでいるむちゃくちゃ細い紐もまでも残っていた。
墓
それに、繊維までも!!
首飾りの繊維

紐や繊維が残っていることは異例中の異例!
乾燥した砂漠地帯ならまわわかるけど、ここは雨がよく降る地域で
3500年前の繊維が残っていること自体が奇跡!

最初にも書いたように、お墓を発見した日は関教授の誕生日で見事な満月だったという。
関教授の話を聞いていて、私まで感動!!

黄金が出るような墓を発見して、さぞかし大興奮したのでは!?
と思ったけど、本人はというと、

”顔から血の気が引いた”という。

なぜなら、
”すごい発見すぎて今後どうなるんだろう・・・
と、不安と恐怖が襲った”
という。

発見した本人ってそんなものなのかも。。。

新聞

その後すぐにペルーの新聞に載り、日本でも読売新聞、朝日新聞がカラーで載せた。

しかし、私としてはとっても不満。
こんなすごい発見をしたわりには、あまり大々的にニュースになってないと思う。
『ふしぎ発見』とかで、取り上げてくれたらいいのになー


気が付けばいつの間にかすごい人が詰め掛けていて1時間の発表の間、みんな関教授の話を熱心に聴いていた。

終了後、いくつか撮った写真を関教授に見せブログに載せてもいいか了解をえた。
そして、今回はたーちゃんに教えてもらって来たことを言うと
「あ~ たーちゃんの知り合い?」と親しげに話をしてもらえた。

民博の共同研究者でのあるトン族を研究されている兼重さんと、中国の山奥のトン族の村で会った話など、各国旅をし本を出していることも宣伝がてら話をした。

「ペルーは行ったことあるの?」
「南米を横断したときボリビアからペルーに入ろうとしたら、民族対立があってボリビアからペルーに抜ける全ての道が閉鎖され行けなかったんです。ムリして強行突破しようとしたけど2度とも原住民に襲われて命からがら逃げてきました」
「それ、いつ?」
「2001年の7月です」
「あー あの暴動ね。あれは地元住民が政治にたいしての暴動だったんだ」
あの暴動を知っているなんて、すごい!!

「今日の話とっても興味深く、もっと聞いてたかったです」
「じゃあさ、
今度の水曜日に民博の従業員だけに講座をひらくんだけど、
君も来たらいいよ」


えっっーーーー!!
そんな嬉しいはからいをしてくれるなんてっ!!
声をかけてみてよかった~~

たぶん、たーちゃんの知り合いだからここまで言ってくれたと思う。
これもたーちゃんのおかげや~

ってなことで、明日の14日の夜、民博に行って特別講演を聞いて来ます!!




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Re: やっぱりおくださん、すごい!

★ きよおかさま

お久しぶりです!!
御無沙汰しています。
お元気でいらっしゃいますか?

> みんぱくがお好きだとは聞いていましたが、さすがおくださん!

やっと、久しぶりにみんぱくに行ってきましたよー
次回行くときは、きよおかさんにガイドをお願いしようとおもっていたんですが、
急に行くことになって、連絡できずでした。

> 普通、ウイークエンドサロンを聞いて、これほどまでに感激するor感情移入する人はいませんよ。

いえいえ、関教授のお話が上手だったからですよー

> 職員のための講座の話もブログに書いてね。楽しみにしています。

14日の特別講座、延期になって22日になったんですよー
来週が楽しみです♪

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やっぱりおくださん、すごい!

民博ボランティアのきよおかです。
家のこと諸々が落ち着いたので、今日このブログに来ました。
みんぱくがお好きだとは聞いていましたが、さすがおくださん!
普通、ウイークエンドサロンを聞いて、これほどまでに感激するor感情移入する人はいませんよ。それほど他の文化や人々に興味と愛情を持ってはるんですね。
職員のための講座の話もブログに書いてね。楽しみにしています。
プロフィール

かおり

Author:かおり
旅が大好きで、気がつけば50数カ国旅をしています。2006年念願だった旅行記を出版。
多くの人に旅の魅力やイスラムの国々の良さを知ってもらおうと、書著「やっぱり旅はやめられない イスラム編」を書きました。
2008年に第2弾となる「中国編」を出版。

最寄の書店での注文、もしくは上の“おすすめ商品!”の「やっぱり旅はやめられない」をクリックしてみてね!

プロフィール写真は、私本人ですが実物はまるで違います…あしからず。

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  • 黄金の墓の発見と発掘秘話
  • 2009年10月13日 (火)
  • 13時15分48秒
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by AlphaWolfy
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