遺跡発掘裏話

2009年9月3日、ペルー北部に位置するパコパンパ遺跡で黄金のお墓が発見された。
その発見者は、なんと私の大好きな「民族学博物館」の教授だった!!

そして、10/11(日)のウィークエンドサロンで、
(各教授が自分の研究をみんぱくの展示の前で説明してくれる)
「黄金の墓」の話をしてくれた。
私は一番前のかぶりつきの席で、先生の話を夢中になって聞いていた。
その時の話は『黄金の墓発見と発掘秘話』を読んでね。

そして、10/22発見された関教授の知り合いばかりが集まって、
発見当時の話を聞く会があり、私も特別に参加させてもらうことになった。

前回話を聞いたのが、ウィークエンドサロンだったこともあり、プレゼン用にしっかりした内容で、
この遺跡は何年前のもので、どのようにしてこ遺跡を見つけ掘ることになったのか、
遺跡全体の写真や立体画像なで解説し、掘っていく過程を詳しく説明してくれていた。

しかし、今回は内々だし、参加しているみなさんは新聞などでしっかり読んでいるだろうと、
遺跡の説明などは一切せず、もっと裏の話というかプライベート秘話的な話が中心で、
笑いが耐えなかった。
(ウィークエンドサロンで前もって話を聞いといてよかった~)


会はビデオ上映会のようで、最初に見せてくれたビデオは、
まるでジャングルの中で、ペルー人が斧で必死に大きな木を切る映像。

「これは僕の家の前なんだ。
大きな木があって家に倒れ掛かってきたから、スタッフが切っているところなんだ」

「えーー!?
先生、ペルーではこんなうっそうとおいしげった木々に囲まれて住んでるの!?」

どう見ても家周辺はジャングル!!

「そうだよー 遺跡も掘らないといけないし、木の伐採もしないといけないし、大変なんだから~」


発掘現場でのビデオは、他のお墓の人骨も映っていた。
お墓は黄金の装飾をつけた人物意外にも出ていたんですね。

葬られていた人は、上半身を折り曲げ、両腕を胸の前で広げ、頭を地面につけ、
ひれ伏す状態だった。
亡くなったときにそんな体制は不自然。
だから死後硬直が起こる前に、その状態にさせたのだろう。
それにしても、今まで見たことがない珍しい体勢での埋葬は、私は密かに衝撃を受けた。


遺跡発掘って、土を掘って何かが出てくると、作業をいったん止め測量をし、写真を撮り絵を描いて残す。
そして、出てきたものを壊さないように最善の注意を払い取り出す。
この作業の繰り返しで、遺跡発掘は途方もなく時間がかかるという。

私たちがテレビで見る遺跡発掘というのは、たいていエジプトの発掘シーンでしょう。
土を掘る場面では、遺跡や人骨が出てくるとハケで砂をよけてません?
でも、ペルーのパコパンパ遺跡では雨量もあって土は湿っているので、
ハケなど一切使用しません。
ここで一番利用するのは”竹串”!
そう、焼き鳥屋でよく見かける、あの”竹串”です。
竹串だと出てきた貴金属や骨などを傷つけないので、最高の道具なんですって。

黄金の薄い板をしたイヤリングができ来たとき、薄すぎて持ち上げるとバラバラになるので、
竹串で少しずつ下に隙間を作り、何本もの竹串を下に差し、徐々に浮かしていく。
隙間をつくるには、竹串をねじっていくのが一番いいらしい。

それに、触れては行けない物に、ほどよい大きさのタッパをかぶせ、動かないよう
竹串で土に突き刺し、かぶせてカバーすることにも使用していた。

竹串は土を少しずつ削っていくためだけの物でなく、いろんな用途にも使用できて、
遺跡発掘には欠かせないアイテムらしい。

でも、炭化物には、竹串は使わず金属で採取するのが原則。
それだけじゃーなく、入れる袋も金属にするんですって!

なんでかって!?
それはですねー
木製は有機物なので炭化物に触れてしまうと混合してしまい、
測定器で年代がちゃんと計れなくなってしまうんですって。

そのほかに、けっこう使い勝手いいのは、蟹を食べるときに使うあの「蟹用スプーン」
蟹スプーンのフォーク側で土をほじって、スプーンで土をすくう。
先生は日本に帰国した時には、遺跡発掘に必要な道具を買い集めているという。

発掘で一番注意を払うのは、土の変化だという。
土の色が変わっているってことは、人間が手を加えたってこと。
色が違う部分だけを細かく削っていく。
でも、簡単に「掘っていく」「削っていく」と言っているけど、土の変化を読み取るのは至難の業。

突然骨が出てくる。
でも、骨は土色と同じで、一見すると見落としてしまい、一緒に掘ってしまいそうになる。

「あれ? 骨って白じゃーなかったでしたっけ??」

「人間の骨は白ではなく、茶色です」

あ・・・
私が見た骨は、火葬した後だから、焼けて白くなってるんですね。
今さら気づいた私。

骨が出てきてから、どこの大学教授だったか忘れたけど、
世界でも骨に関して右に出るものはいないというほど、
骨のエキスパートの教授も加わり調査が始まった。

頭蓋骨を下になった状態で発見され、それを見た瞬間、骨のエキスパート教授は、
「あ、これは口が開いていますねー 口の中に何か入っていますねー」
と言った。
半信半疑に口の中の土を削っていくと、口の中から翡翠(ヒスイ)が出てきた。
骨のエキスパートともなると、後頭部からでも口が開いているかなどもわかるんですねー
すげーーー!!
私はその教授にむっちゃ興味心身。

アンデス地域の埋葬は、足を抱えた状態にして、麻袋に包んで埋葬しているのを見るが、
ここでは、麻袋に包まず直接埋葬しているように見える。
どうやら雨が多い地域だから腐食して無くなったみたい。

同じペルーでも大西洋側だと乾燥しているので、遺体を包んでいた麻袋が残っていることがある。

私は、密かにミイラが好き。
だからミイラを見ると一緒に写真を撮ってしまう。

ミイラと肩を組み2人にこやかに記念撮影。
ミイラと私
※ここの博物館は、写真撮影OKなんです。海外では写真OKの博物館、美術館はよくあるんです。
厳しく禁止しているのは、日本ぐらいかも?


ミイラや人骨を怖いと感じる人は多いでしょうが、私はミイラを見ると、この人は生前どんな容姿やったんかなー?とか、想像をめぐらせるのが好き。


黄金の装飾を持つ墓の主は、女性で身長155cmで骨もしっかりしていて太い。
中南米の人は男女とも身長が低い。
昔はさらに低く、男性でも平均身長は150cmだった。
そんな中、埋葬されていた人物は女性で155cmということは、むちゃくちゃ大柄。
大柄ということは、発育時にはしっかり栄養価のあるものを食べることができたことにより、
骨も太く身長も大きくなったのだろう。

それに、この女性は、頭蓋骨が横長に変形させられていて、映画『ET』のうような
逆二等辺三角形のような頭部だった。
このような頭にするには頭蓋骨がまだやわらかい生後から5歳までの時期に、
おでこと後頭部を板か何かで固定し横に広げることをしないといけない。
だから、この女性は生まれながらにして特別な人間になることが決められていたことが読み取れる。


先生の話や映像は見所満載!!
もっといっぱい話を聞かせてもらったけど、ここではもう書ききれないっす。

関教授の発掘作業の一部始終のビデオを見せてもらっていると、
人1人がやっと入れるくらいの小さな穴で、しゃがむスペースもなく、
人骨を踏まないように神経を使い、体を曲げ全屈しながら苦しい体勢で
竹串で地道に土を削っていく作業は、体力勝負だと思ってしまう。

でも、先生は

「よく『発掘は体力だ』というけど、『発掘は頭』です!」
と、強調して言っていた。

発掘は、あてずっぽで掘るのではなく、地形を見てどこをどう掘ればいいのか考えて掘る。
何度も何度も地形や配置を把握するため、5mのハシゴに登り上から遺跡全体を見ながら、
じっくり練って掘る位置を決めるのだという。

5mのハシゴは、下でスタッフたちが支えるのだけど、喋るとハシゴが揺れるので、
先生はいつも上から「喋るな!」と注意するらしい。
「ほんのちょっと喋るだけで、上ではすごく揺れるんだよ~」
まさに命がけ?
幸いなことにまだ一度もハシゴから落ちたことはないそうな。
生徒やスタッフとの信頼があってこそ、いい発掘ができるんですね。


先生は、来年の夏前から、またパコパンパに向かうそうです。
来年は無理やけど、発掘作業中にいつか私も訪問したいなー


関先生、貴重なお話ありがとございました。



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プロフィール

かおり

Author:かおり
旅が大好きで、気がつけば50数カ国旅をしています。2006年念願だった旅行記を出版。
多くの人に旅の魅力やイスラムの国々の良さを知ってもらおうと、書著「やっぱり旅はやめられない イスラム編」を書きました。
2008年に第2弾となる「中国編」を出版。

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プロフィール写真は、私本人ですが実物はまるで違います…あしからず。

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